静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

絶縁性固体の静電気対策ー除電

空気を何らかの方法により電離させて,生成したイオンの電荷により帯電した絶縁性物体の電荷を中和して除電する方法である.巨視的に見れば,空気の導電率がイオンにより高くなり,これにより電荷緩和しているのと等価である. 特に,絶縁性固体材料のプラス…

第31回静電気RA研究委員会・WG

第31回静電気RA研究委員会・WG の備忘録です 袋内で着火したインシデント報告(NTさん)から,疑問:帯電したウエットケーキがPE袋内にあり,袋の外側で接地導体が近づいたとき,袋内で放電するか?袋の中身は絶縁性のウエットケーキ(帯電している)のみで…

絶縁性固体の静電気対策ー加湿

絶縁物表面の抵抗は加湿(相対湿度65%以上)により,電荷消散性のレベルまで低減できることがある.これによって接地までの電気伝導(電荷緩和)の経路が確保できると電荷の蓄積を抑制できる. ガラス,紙,ナイロン,PMMAなど水分を吸着しやすいものには効…

絶縁性固体の静電気対策ー静電遮へい

危険場所で絶縁性物体を使用する必要があるとき,そのハザードを静電遮へい(シールド)によって抑制できる. 静電遮へいは静電気の帯電が危険となる絶縁性物体を接地した導体あるいは導電性材料で覆いまたは区画化して静電気の帯電の危険性を抑制する方法で…

絶縁性固体の静電気対策ー面積・幅の制限

主に着火性ブラシ放電防止の対策である. 可燃性ガス・蒸気およびハイブリッドの危険場所で絶縁性物体を使用する必要がある場合は,表9.2 着火性ブラシ放電を防止するための絶縁性物体面積・幅の制限に示すようにその面積・幅を制限することによって,着火性…

絶縁性固体物体の静電気対策ー絶縁性物体の排除

縁性物体は帯電によるブラシ放電および沿面放電のハザードがあるので,導電性または電荷消散性の材料に代えて極力使用は避けるべきである. 代えた導電性・電荷消散性物体の接地・ボンディング 導電性・電荷消散性材料(帯電防止剤)の添加 いわゆる帯電防止…

絶縁性固体物体の静電気対策ー電荷発生の抑制

帯電は絶縁性固体と他の物体(固体,液体および粉体)との接触・分離によって起こるので,液体および粉体の静電気対策により帯電を極力抑制させる必要がある. 絶縁性固体表面の連続的な摩擦を避ける.

絶縁性固体物体の静電気対策

[リスク低減策] 絶縁性固体の一般的な静電気対策を示す.以下について,次回から順に説明していきます. 電荷発生の抑制 絶縁性物体の排除 面積・幅の制限 静電遮へい 加湿 除電

絶縁性固体物体のリスク分析

[確認事項] 次の絶縁性物体の使用制限の事項を確認して,絶縁性物体の使用のリスクを見積もる. 絶縁性物体は,危険場所では,工程・作業により,以下に示すように絶縁物表面が危険な帯電レベルにならないときのみに使用すべきである. 帯電によってその可燃…

絶縁物への導電性・電荷消散性コート

絶縁物への導電性・電荷消散性コートは次のようなハザードが付加されるので,絶縁物よりも使用を制限されるべきである. 接地されないと絶縁導体となり火花放電のハザードとなる. 均一にコートされなく,孤立したコートは火花放電のハザードとなる シートま…

沿面放電について追加します

絶縁層の厚さが薄いほど絶縁層の見かけの静電容量が大きくなるので,同じ表面電位では表面電荷密度が高くなる.したがって,同じ電位であれば,厚さが薄いと沿面放電開始に必要な表面電荷密度の250 µC/m2以上になりやすい(A.3.9.1参照).また,厚さが薄い…

接地導体表面の絶縁性コートからの沿面放電

沿面放電については,A.3.9に詳述しているので,これも参照すること.絶縁性シートおよび接地導体表面の絶縁性コート・ライナーなどの絶縁層で連続的に高く帯電する過程があると沿面放電のハザードとなる.帯電が比較的に高くなる粉体(高抵抗率の粉体)の工…

接地導体表面の絶縁性コートからのブラシ放電

ブラシ放電についてはA.3.8,ブラシ放電のハザード同定は6.3に詳述しているので,これらも参照されたい.実際の経験から,次の条件のすべてが満たされるとき,接地導体表面の絶縁層(絶縁性コートやライナー(内袋)など)から着火性のブラシ放電は生起しに…

接地導体表面の絶縁性コート

[ハザード] 接地導体表面の絶縁層および絶縁性コートはブラシ放電または沿面放電のハザードがある.ということで,こんなコートで発生するブラシ放電または沿面放電ついて次から書いていきます.

絶縁性固体材料の利用の制限

絶縁性固体材料の利用は危険場所に対応して次のように制限されるので,これを参考に絶縁性固体材料の利用を検討する. Zone 0では,メンテナンス,清掃を含めて通常の工程・作業においてまたはまれにしか起きない不備があったとしても危険な電位を発生させる…