静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

絶縁性固体の静電気対策ー静電遮へい

危険場所で絶縁性物体を使用する必要があるとき,そのハザードを静電遮へい(シールド)によって抑制できる.

  1. 静電遮へいは静電気の帯電が危険となる絶縁性物体を接地した導体あるいは導電性材料で覆いまたは区画化して静電気の帯電の危険性を抑制する方法である.帯電物体が接地導体で覆われるので,接地導体の外側では帯電電荷による影響がなくなり,静電気放電などの危険性を抑制できる.
  2. 遮へい材料は金属板,金属細線または目が数cm角の金網等が望ましい.金属製または導電性のテープ,導電性のフイルムまたはシート,導電性繊維入りの布製品などでも良い.
  3. 遮へいの方法
    1. 金属細線を使用する場合は,金属細線を数cmの間隔で巻き付ける.面積制限(表9.2)も参照.
    2. 金属以外のものを使用する場合は,遮へい材の一部にこれと十分密着する金属を設け,それを確実に接地する
    3. シートなどは片面のみの遮へいはしてはならない.反対面で沿面放電の原因となる.
    4. 導電性コートによるシールドは,部分的に絶縁された導体とならないように表面に均一にコートされていることを確認する.
    5. シールドの断線は絶縁導体となり,火花放電のハザードとなるので,接地に留意する.
    6. 金属細線の利用はコロナ放電による帯電および着火性放電の抑制効果もある.
    7. 導電性繊維を織り込んで,作業着,FIBCやバッグフィルタなどにも応用されている.この導電性繊維は,金属細線と同様に,コロナ放電による除電の効果がある.