静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

絶縁性固体の静電気対策ー面積・幅の制限

主に着火性ブラシ放電防止の対策である.

  1. 可燃性ガス・蒸気およびハイブリッドの危険場所で絶縁性物体を使用する必要がある場合は,表9.2 着火性ブラシ放電を防止するための絶縁性物体面積・幅の制限に示すようにその面積・幅を制限することによって,着火性ブラシ放電を防止してリスクを許容レベルまで低減できるので,使用する絶縁性物体の面積・幅を確認する.
    1. シート材料の場合,領域の面積は帯電可能な領域である.たとえば,接地導体板に貼り付けたシートは貼り付けた面は含まない.
    2. ケーブルシースやパイプなど細長い素材のものは,最大幅を用いる
    3. 通常に使用する電気ケーブルは,すべての危険場所(Zone)で使用できる.IEC 60079-14 [20]参照.
    4. 液体または粉体を輸送する細いパイプまたはチューブは,表9.2の幅よりもさらに小さな直径が必要になる場合がある.できる限り液体・粉体に絶縁性パイプやチューブの使用を制限されたい.
  2. 接地金属メッシュの使用(9.6.4 静電遮へい参照)
    1. 絶縁性物体の表面が接地された金属メッシュ(または金属枠)が接触して囲まれている(静電遮へい)場合,表9.2の制限値を4倍にしてもよい.

    2. 導電性繊維を織り込んで面積・幅を制限して,作業着,FIBCやバッグフィルタなどに応用され,着火性のブラシ放電を防止している.また,この導電性繊維はコロナ放電による除電の効果もある.