静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

液体帯電ハザードとなる種々の工程・作業

チェック項目35 工程・作業は液体の帯電ハザードとなるか 液体の帯電は異種の物質が接触する界面に正・負どちらかのイオンが選択的**に集まることから起こる電荷分離によるものである.たとえば,液体が流動することによって容器や配管で電荷分離して帯電す…

液体の流動

10.3(液体の帯電)で述べたように液体の帯電も界面での電荷分離によって生じているが,この液体が流動していると,界面に残された電荷(イオン)と反極性の電荷(イオン)が液体とともに流れることになり,ほとんどの液体に関する工程および作業では,流れ…

液体の帯電

液体の帯電現象は,A.2.1(電荷分離による帯電)で説明した電荷分離によるものであり,液体--固体,液体--液体,液体--気体の界面で電気二重層が形成されている.この二重層は正・負どちらかの荷電粒子が選択的に界面に吸着することによって形成され,この荷…

液体の一般的なリスク低減策

リスク低減策 接地による絶縁導体の排除 タンク,タンク内構造物,金属容器,液面フロートなど,人体も含めて,すべての導体を適切に接地して火花放電を防止する. 電荷発生の制限 流速制限 電荷緩和の利用:滞在時間は一相液体では少なくとも3𝜏 (= 𝜀/𝜎 緩和…

静電誘導と導電率ーつづき

前(2022年12月12日)に静電誘導と導電率の関係,つまり,電荷緩和時間に応じて誘導電荷が現れることを示した.このとき,静電誘導が現れる物体は接地しているとした.ここでは,この物体が絶縁されているとして計算する. 物体が絶縁されている場合 図3aに…

液体取扱の一般的なハザードー放電ハザード

チェック項目34 起こりうる着火性放電のタイプは何か [ハザード] 液体取扱工程・作業では火花放電,ブラシ放電および沿面放電による着火ハザードがある. 事故事例から絶縁導体(作業者も含む)による火花放電が最も多い. 接地導体と液面間で起きるブラシ…

引火点によるマージン11℃以下を15℃以下に変更(戻す)

引火点は液体蒸気によって可燃性雰囲気が形成されるかの指標に用いられる. これまで,ガイド「静電気リスクアセスメント」では 「管理された条件下で液体温度が,純粋液体では引火点の少なくとも5℃以下,また,混合液体では引火点の少なくとも11℃以下であれ…

液体取扱の一般的なハザードー帯電ハザード

チェック項目32 電荷発生を促進させる要因はないか チェック項目33 電荷緩和を抑制させる要因はないか [ハザード] 帯電の促進は電荷発生の促進と電荷緩和の抑制によるので,それぞれを調査する. 接地と絶縁導体 金属タンク・配管などの大きな導体から作業…

液体取扱の一般的なハザードー液体蒸気による可燃性雰囲気の形成ハザード

液体取扱のハザード同定の 液体蒸気による可燃性雰囲気の形成ハザード 帯電ハザード 放電ハザード について順に説明する.今回は,液体蒸気による可燃性雰囲気の形成ハザードについて同定方法を簡単に示す.詳細は3章を参照. チェック項目31 液体蒸気に…