液体取扱の一般的なハザードー帯電ハザード
チェック項目32 電荷発生を促進させる要因はないか
チェック項目33 電荷緩和を抑制させる要因はないか
[ハザード]
帯電の促進は電荷発生の促進と電荷緩和の抑制によるので,それぞれを調査する.
- 接地と絶縁導体
- 金属タンク・配管などの大きな導体から作業者が用いる道具などの小さな導体まで,これらが電気的に絶縁されると火花放電のハザードがある.したがって,これらは適切に接地されなければならない.
- タンク内の導体(特に,液面に浮いたもの),可搬導体(容器,計量器,台車,踏台など)および作業者が取扱う道具などが絶縁されることによる事故事例が多い.
- 高・中導電性液体は導体・電荷消散性物質であるので接地が必要である.
- 電荷発生を促進させる要因
- 電荷緩和を抑制させる要因
[確認事項]
- 導電率(4.4.2.1)
- 帯電促進要因
- 電荷緩和
- 3𝜏以上**の液体が接地される滞在時間が確保されているか確認する.
帯電のハザード同定の詳細は4章を参照.
** 緩和時間𝜏 (= 𝜀 / 𝜎)を活用して,液体が接地に接触する時間を3𝜏以上確保すると液体電荷を緩和できる.3𝜏は初期電荷の95%が緩和されるまでの時間である.これがフィルタによく用いられる緩和長や充てん後の静置時間に相当する.