静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

静電誘導ハザード同定のまとめ

導体の非接地による火花放電着火が最も多い事故事例である.このガイドにしたがって入念に調査されれば,抜けがなく同定されているはずである.

静電誘導ハザードレベルは表4.6の帯電レベルが低の行を用いる.絶縁導体は導電性で電荷漏洩がないので,静電誘導ハザードレベルは4となる.さらに,静電誘導のもととなる帯電に促進要因がある場合はこの2倍の8となる.このとき,帯電ハザード同定の結果を考慮して静電誘導ハザードを同定しているので,帯電ハザードはこれに含めて帯電・静電誘導ハザードレベルとして決定する.

ここで,静電容量(5.2.5 静電容量)から,着火性放電が発生しないことが認められたときは静電誘導ハザードレベルは0となる.この場合の導体は接地が不要となるので,この除外は記録に残す.

漏洩抵抗が不十分と同定された導体等も電荷漏洩なしとして同様にしてハザードレベルを決定する.

最終的に静電誘導ハザードと同定された導体(作業者・電荷消散性物体も含む)は接地・ボンディングして火花放電を防止する.接地した場合は該当するハザードレベルは0となる.接地したことを記録に残す.さらに,ヒューマンエラー等により接地されなかった場合のハザードについても注意喚起として同定しておいてもよいだろう.

実施の参考に,14章に試験運用の際に実施したリスクアセスメントの結果の例を示してます.