粉体の帯電ハザード
粉体の抵抗率と電荷緩和
チェック項目17 諸特性による粉体の帯電性の調査とバルク抵抗率による帯電レベルの同定
粉体の電荷緩和はそのバルク抵抗率に依存するので,抵抗率が高いほど帯電しやすくなる.抵抗率によって粉体を表4.4のように分類する.これに対応した粉体の帯電性を表4.5に示す.粉体の帯電ハザードは,質量比電荷,バルク抵抗率または電荷緩和時間で同定できるが,ここでは,電荷緩和のもととなるバルク抵抗率によって粉体の帯電レベルを同定するようにしている.
金属粉体はアルミニウム,マグネシウム,ジルコニウムなどは,表面が酸化されるので,通常,絶縁性( 程度)となる.なお,カーボンブラックは酸化してもガス化(COまたはCO)されるので導電性には影響しない.
絶縁性容器・配管や袋の利用は電荷緩和がなくなるので,帯電ハザードとなる.バルク抵抗率 以下の粉体が絶縁されると火花放電のハザードにもなる.電荷緩和が期待できない場合は固体(絶縁性容器・配管)の抵抗率でハザードを決定する.
静電気対策が適切になされている場合は,帯電ハザードはなしとする.また,低抵抗率の粉体が接地された容器,配管などで電荷漏洩され,電荷蓄積がない場合も帯電ハザードにはならない.
詳細な粉体のリスクアセスメントは11章を参照する.