静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

帯電ハザードの絞り込み

4.2 帯電ハザードの洗い出しで抽出された帯電ハザードが着火ハザードとならない場合が多い.ここでは,可燃性雰囲気と静電気対策の状況を照合させて帯電ハザードを絞り込む.

可燃性雰囲気形成ハザードとの照合

チェック項目13 可燃性雰囲気形成ハザードと合致する場所はないか

帯電ハザードの洗い出しで抽出された帯電ハザードのうち,可燃性雰囲気でない場所は着火リスクはないので除外する.この除外は記録に残す.なお,新規の設備や工程・作業のリスクアセスメントは,除外しないで帯電ハザードを同定する.

静電気対策の適合

チェック項目14 静電気対策(のための規定値)を満たしているものはないか

ガイドに示した対策,静電気安全指針2007[2]や規格[6]等に示された静電気対策は十分に着火リスクを低減する安全技術である.また,このために定められた規定値は十分な安全マージンを考慮したものである.したがって,抽出された帯電ハザードのうち,これを満たしているものは,着火リスクを十分に許容できるほど帯電レベルが小さくなっている.たとえば,接地配管を用いた流速制限以下の液体輸送の液体帯電などである.したがって,洗い出された帯電ハザードのうち,静電気対策が適切になされているものは着火リスクはないので除外する.なお,この除外は記録に残す.

逆に静電気対策を満たしていないものは帯電ハザードの可能性が高い.固体,液体,粉体および気体(9-12章)に分けて示したハザードおよび確認事項を参考に帯電ハザードを同定するとよい.