静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

導体および人体の漏洩抵抗

導体および人体の漏洩抵抗を測定して,以下のチェック項目を調査する.

チェック項目21 漏洩抵抗が106 Ωを越える導体はないか

チェック項目22 人体の漏洩抵抗が108 Ωを越えていないか 

通常,固定されたタンクなど設備に相当する導体は電気安全の観点から接地抵抗が,静電気対策に必要な漏洩抵抗よりも十分に小さいので帯電・静電誘導ハザードから除外でき,火花放電を防止できる.

そのほかの導体は漏洩抵抗が106 Ω以下であれば帯電・静電誘導ハザードから除外できる.

人体については漏洩抵抗が108 Ω以下であれば帯電・静電誘導ハザードから除外できる.なお,人体の漏洩抵抗は靴と床の抵抗で構成されるので,これらの合成抵抗で調査する.

作業者が手に持って取り扱う導体については導電性・電荷消散性の手袋等にて適切な漏洩抵抗を確保するようにしていれば,静電誘導ハザードから除外できる.なお,これらを作業中に一時的に置く場所でも漏洩抵抗が確保されるか調査する.また,これらの導体・電荷消散性物体の保管場所が可燃性雰囲気となる可能性がある場合はその場所にて導体・電荷消散性物体の漏洩抵抗を調査する.ただし,これらの物体が静電シールドされるように保管される場合は静電誘導ハザードから除外できる.

漏洩抵抗によって火花放電のエネルギーも推定できる(A.3.6.3, 6.2.3.1).

静電気対策のための漏洩抵抗の規定値が106または108 Ω以下である根拠はガイドのA.3.6.3に示しているので参考されたい.