静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

導電性・電荷消散性固体のリスク見積

[リスク見積]

ここでいう導電性・電荷消散性固体のリスクとは,導電性・電荷消散性固体が絶縁されたときに発生する着火性火花放電リスクのことである.着火性火花放電リスクは,6.2に示した火花放電のハザードについて調査して求められたハザードレベルをもとに見積もられる.ここで示すリスク見積の方法は事故原因究明にも適用できる.

  1. 導電性・電荷消散性固体が絶縁されても,近くに高い電位の物体がないかぎり静電誘導リスクがない.
  2. 導電性・電荷消散性固体が絶縁されても,放電ギャップを形成するための導体が近くにないかぎり火花放電は生起しない.
  3. 導電性・電荷消散性固体からの火花放電のエネルギーWは,その静電容量Cと電位VからW=\frac{1}{2}CV^2から計算できる.詳細はA.3.6を参照されたい.
  4. 接地不良等により漏洩抵抗Rが高くなったときに起きる火花放電のリスクは式(A.4) V=I_GRと式(A.14) R = \sqrt{\frac{2 W_d}{C  I_G^2}}に基づいて見積もることができる.
  5. この放電エネルギーが可燃性雰囲気の最小着火エネルギーを超えるとき着火リスクが高くなる.