液体取扱の一般的なハザードー放電ハザード
チェック項目34 起こりうる着火性放電のタイプは何か
[ハザード]
- 液体取扱工程・作業では火花放電,ブラシ放電および沿面放電による着火ハザードがある.
- 事故事例から絶縁導体(作業者も含む)による火花放電が最も多い.
- 接地導体と液面間で起きるブラシ放電によって炭化水素系の蒸気が着火するためには,25 kVを超える液面電位が必要である(A.3.8.2).
- フロートなど絶縁導体が液面にある場合などは,さらに低い液面電位(5-10 kV)で火花放電が発生する.
- 液体工程・作業では沿面放電の可能性は低いが,内面が絶縁コートされた金属容器での液体−粉体の混合撹拌ではコートが大きく帯電するとき沿面放電の可能性がある.沿面放電の可能性はA.3.13.2を参照すること.
[確認事項]
- 接地・ボンディング
- 絶縁導体がないか確認する.
- 着火性ブラシ放電が可能な帯電電位レベルになっているか調査する.
- 接地導体によるブラシ放電によって炭化水素系の蒸気に着火するためには25 kVを超える液面電位が必要である.25 kVを越えないための流速制限式(10.5)もある**.
- A.3.8.2および図6.1参照
** タンク充てん中の液面電位の数値計算も提供します.タンクおよび液体の諸量がわかれば充てん中の液面電位の時間変化が計算できます.