静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

液体の一般的なリスク低減策

リスク低減策

  1. 接地による絶縁導体の排除
    1. タンク,タンク内構造物,金属容器,液面フロートなど,人体も含めて,すべての導体を適切に接地して火花放電を防止する.
  2. 電荷発生の制限
    1. 流速制限
    2. 電荷緩和の利用:滞在時間は一相液体では少なくとも3𝜏 (= 𝜀/𝜎 緩和時間の3倍)または30秒の短い方である.この滞在時間が緩和長や静置時間に応用されている.ただし,ハイパボリック緩和が支配的となる1 pS/m以下の低導電率の液体では、滞在時間は約100秒である.
    3. 容器の底にある水をかき混ぜないなど二相液体をできるだけ避ける.できない場合は流速制限を採用する.
    4. ボトムローディングやディップパイプなどを用いてスプラッシュローディングを避ける.避けられない場合は,通常の流速制限の50%または流速を2 m/s以下の遅い方にして,容器壁に向かうように充てんする.高導電性液体のスプラッシュローディングは,絶縁導体ハザードとなる.
    5. 液体の撹拌は,撹拌スピードを制限(たとえば,最大出力0.37 kW/m3以下)する.
    6. タンク洗浄の最大圧力制限;二相液体(洗浄液のリサイクリング)を用いた洗浄を避ける.大きなスラグ(絶縁された導電性洗浄液)を形成するようなジェット洗浄は避ける.
  3. 可燃性雰囲気の防止ーたとえば,以下により可燃性雰囲気の形成を防止する.
    1. 可燃性蒸気の空間をできるだけ避ける.
    2. この蒸気空間を不活性化する.
    3. スイッチローディングを避ける.
    4. 揮発性液体を取り扱った後のタンクは,十分に清掃・換気して,残存する可燃性液体,ガス・蒸気を取り除く.
  4. 液体の電荷緩和の促進:添加剤の利用