爆発物の取扱
ここでは,火薬,爆薬または火薬や爆薬を加工した火工品などを総称して爆発物と呼ぶ.形態は,固体,粉体,液体と様々である.
[ハザード]
絶縁導体(作業者も含む)は火花放電により,爆発物の発火を引き起こし,甚大な被害になる可能性がある.
[リスク低減策]
鋭感な爆発物(最小着火エネルギー1 mJ以下)でも,通常の静電気対策で十分である.爆発物の点火エネルギー以上の静電気放電を防止するための対策を以下に示す.着火エネルギーによっては,導体の接地以外は,下記の対策が緩和できる場合がある.対策を緩和する場合は,専門家のアドバイスを求めること.
- 導体の接地.
- 可搬・移動導体も接地することを忘れないこと.
- 導電性床・靴により人体を接地する.
- 着席時にはリストストラップによる人体の接地も有効である
- 作業前の帯電防止靴・導電性靴の性能点検
- 作業場所に入る前の人体接地抵抗の測定装置(モニタ)の設置も有効である.
- 導電性の道具,ワイヤなどの小さな金属物体も火花放電の原因となるので,ボンディング・接地する.
- 水などで濡れた指や指輪など導電性を高めて火花放電を促進する可能性のある導電性物体は避ける.
- 絶縁性物体は確実に排除する.
- 絶縁性生地の作業服は着用しない.
- 絶縁性手袋の使用は避ける.
- 衣服の着脱をしない.
- 相対湿度を65%以上(常温の場合)にする.