静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

火花放電の発生条件

火花放電の詳細はA.3.6に示しているが,火花放電の発生条件を簡潔に列挙すると以下のとおりである.

  • 平板または大きな曲率半径の導体間に平等電界が形成されて起こる(放電ギャップの形成)
  • この電界が空気の絶縁破壊電界(3 MV/m)以上である

産業現場でこの条件を満たす導体は,電気的に絶縁された可搬の導体または人体であることが多い(5.2.2.1 絶縁導体の例).これと放電ギャップが形成される導体は接地された導体であることが多い.両方の導体が絶縁されているときでも導体間の電界が空気の絶縁破壊電界以上になれば火花放電が可能となる.

このような導体でも漏洩抵抗を106 Ω(人体では108 Ω)以下にすれば,その電位が火花最小電圧330 Vを超えることがないので,火花放電ハザードにならない.