静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

ブラシ放電と帯電電位

絶縁性物体の表面電位から可燃性雰囲気の着火エネルギーと比較して,着火性ブラシ放電の可能性を見積もることもできる.

絶縁物表面電位による着火性ブラシ放電の可能性は A.3.8のブラシ放電の帯電電位と放電エネルギーとの関係(式(A.13))を示した図A.10の曲線に1/10の安全マージンをとった値の図6.1で見積もることができる.作業現場の雰囲気の最小着火エネルギーから絶縁性物体の表面電位が図6.1の曲線a以下であればブラシ放電による着火リスクはない.また,式(A.13)の1/10の曲線aに一致させた階段状の直線b(1 kV (MIE < 0.1 mJ), 5 kV (0.1 mJ ≤ MIE ≤ 1 mJ), 10 kV (MIE >1 mJ))以下であれば着火性ブラシ放電の可能性は極めて低い(ブラシ放電による着火リスクは許容できる)としてもよい.

表面電位の測定は測定上の注意も含めてD.13を参照されたい.