静電気イノベーションズ

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漏洩抵抗による帯電電位の推定

導体が完全に絶縁されていない場合,導体はある漏洩抵抗Rを持つ.このときの導体の帯電電位は,何らかの電荷発生によって導体に流れる電流をI_Gとすると

V= I_G R (6.1)

により求めることができる.たとえば,帯電液体q C/kgを毎秒m kg(流量m kg/s)で金属容器(漏洩抵抗R)に充てんするとき,電流I_G=mqとなり容器電位の定常値はV=mqRとなる.

また,式(A.11)R = \sqrt{\frac{2 W_d}{C I_G^2}}およびこの式を示した図A.9から漏洩抵抗により着火性火花放電の可能性を見積もることができる.

式(6.1)(式(A.4)と同じ)より,導体の漏洩抵抗の指標を表6.1に示す.着火エネルギーに関連した漏洩抵抗の最大値はA.3.6.3およびその図A.9を参考にするとよい.