静電気放電ハザードの同定法
帯電および静電誘導ハザードの同定により帯電と静電誘導の状況が把握できているので,これをもとに放電生起の可能性を調査する.ここでは,起こりうる放電タイプを調査することによって放電ハザードを同定する.
産業現場で起こる静電気放電のタイプには,
- 火花放電
- ブラシ放電
- 沿面放電
- コーン放電
- コロナ放電
がある.これらの放電は生起条件がわかっているので,この条件を満たすかで各タイプの放電発生の可能性を見積もることができる.また,可燃性雰囲気の着火エネルギーと比較するため,生起しうる各タイプの着火性も同定する.
なお,雷状放電は産業工程で生ずる帯電雲では生起リスクが極めて低い(A.3.11).
さらに,放電の着火性は放電タイプに依存するので,放電タイプごとにハザードを同定する.得られた放電ハザードと可燃性雰囲気ハザード同定および帯電/静電誘導ハザード同定の結果を考慮して,総合的に静電気放電着火リスク(7章)が見積もられる.