着火リスク分析に把握しなければならない事項
静電気着火リスクを分析するために把握しなければならない事項を以下に示す.これらの項目は,工程・作業のレビューで用いることができ,ハザードを抽出するために用いるとよい.
- 取扱物質に関する事項
- 沸点・引火点等
- 取扱条件と爆発限界の関係
- 抵抗率・導電率
- 誘電率
- 帯電量
- 帯電量は,帯電物体の量にも依存するので,ハザード同定には取扱量,帯電物体が蓄積される容器等の大きさも考慮する
- 着火エネルギー(MIE)
- 液体の不溶成分(水,固体粒子など)の有無
- 静電気に関する事項
- 接地・ボンディング
- 絶縁物の有無とその帯電性
- 放電の可能性とその着火性
- 作業者人体の靴と床による接地
- プロセスに関する事項
- 操作・取扱条件等(速度,温度,圧力,取扱量,容器等の大きさ,可燃物・支燃物の濃度等)の範囲とその変化
- プロセスの進展に伴う帯電量の変化
- 帯電の促進要因(たとえば,輸送速度,スプラッシュローディング,二相流体(不溶成分を含む液体・固体粒子を含む気体流など),フィルタ,絶縁性材料の利用)
- 緊急遮断・非常停止の波及効果
- 異常時における危険要因
- トラブル対応時の危険要因
- 作業者の介在の有無と誤操作の可能性とその影響
- 非定常作業に関する危険要因
- スタートアップに関する危険要因
- シャットダウンに関する危険要因
- 設備に関する事項
- 設備の立地・配置・位置に関する危険要因
- 危険度の高い設備が周辺(他の設備,環境,住民など)に及ぼす影響
- 設備操作のための通路・空間に存在する危険要因
- 点検時に発生する危険要因
- 故障時に発生する危険要因
- 設備の耐久性(配管・ダクトの耐圧,腐食,振動によるボルトの緩み等)に関する危険要因
- 設備の信頼性(計器の誤指示,設計ミス等)に関する危険要因
- 安全設備(破裂板,爆発放散口・ダクトの設計ミス等)に関する危険要因
- 避難経路の確保