ガイド「静電気リスクアセスメント」の構成
静電気着火のリスクアセスメントの実施を支援するために開発した手法はガイドとして文書化している.実施のための支援ツールとなるチェック項目,[ハザード],[確認事項],[リスク低減策]の項目および静電気リスクアセスメントシートも設けている.チェック項目はリスク分析に必要なハザードの抽出と同定を容易にするために設けており,順にこれを調査していけばリスク分析ができるようにしている.[ハザード]は種々の工程・作業に潜在するハザードを示し,重大なハザード同定の抜けを減らすように工夫している.[確認事項]では,静電気対策が的確になされているか確認できるようにもしている.逆に静電気対策からの逸脱も確認できる. [リスク低減策]では,対象の工程・作業で必要な静電気対策なされるように対策を示している.ハザード同定シートおよびリスク見積・評価シートは開発したリスク分析の手順にしたがって記入・記録できるようにしている.
開発した静電気着火リスク分析手法は,科学的根拠に基づいて合理的に単純化して,容易にリスク分析できるようにしている.チェック項目の導入もその一つで,静電気着火リスク分析では,30個のチェック項目をガイドに従って調査すれば,自ずと静電気着火リスクの分析および評価ができるように工夫している.
静電気対策では,筆者が改訂・執筆した静電気安全指針2007のほかに,国際・海外規格,学術論文およびエキスパート等からの最新知識も追加している.
ガイドの構成は下記の表とおりです.
はじめに | |
本書の構成と利用法 | |
第1章 | リスクアセスメント |
第2章 | 静電気着火リスク分析の概要 |
第3章 | 可燃性雰囲気形成ハザードの同定 |
第4章 | 帯電ハザードの同定 |
第5章 | 静電誘導ハザードの同定 |
第6章 | 静電気放電ハザードの同定 |
第7章 | 静電気着火リスクの見積・評価 |
第8章 | リスク低減策 |
第9章 | 固体のリスクアセスメント |
第10章 | 液体のリスクアセスメント |
第11章 | 粉体のリスクアセスメント |
第12章 | 気体のリスクアセスメント |
第13章 | 作業者のリスクアセスメント |
第14章 | リスクアセスメントの実施例 |
付録A | 静電気安全の基礎 |
付録B | 接地とボンディング |
付録C | 可燃性雰囲気の見積 |
付録D | 静電気の測定 |
付録E | Fault tree analysis: FTA |
付録F | 静電気事故の分析 |
付録G | 静電気ハザード同定に関する物性データ |
参考文献 |