静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

静電気着火ハザード同定

評価するリスクは静電気着火であるので,可燃性雰囲気を形成するハザードと帯電(ハザード)によって発生する着火性の静電気放電ハザードを洗い出すことがハザード同定となる.したがって,図2.2に示すような静電気着火に至るフロー(私が災害事故調査の際にも原因究明のために用いているフロー)に沿って,可燃性雰囲気の形成,帯電および着火性静電気放電の発生のハザードを抽出していくのが合理的と考える.

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図2.2 静電気着火のフローによるハザード同定

開発した静電気着火リスク分析手法は,科学的根拠に基づいて合理的に単純化して,容易にリスク分析できるようにしている.チェック項目の導入もその一つで,静電気着火リスク分析では,30個のチェック項目をガイドに従って調査すれば,自ずと静電気着火リスクが分析および評価できるようにも工夫している.

静電気安全指針2007もハザード同定に活用できるように書いたつもりだが,ガイド「静電気リスクアセスメント」では,最新の規格や知識も含めて,網羅的にハザード同定に活用できるようにした.静電気対策は着火リスクがあるまたは事故が多いからこそ必要となる.換言すれば本書も含めて標準・規格の静電気対策で取り扱っている事項が静電気着火ハザードでもあるということである.ガイドの9から13章に示す固体,液体,粉体および作業者のリスクアセスメントはこのような観点からもまとめられているのでハザード同定の参考にも活用されたい.