静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

大型導電性固定屋根タンク充てんの流速制限

不溶成分がない低導電率液体を大型導電性固定屋根タンクに充てん(ボトムローディングまたはディップパイプによるトップローディング)するとき,静電気対策として次のように流速および流量が制限されるので,これを確認する.

(10.5)

 vd = \left\{ \begin{array}{l} N \times 0.50 \mbox{ m$^2$/s (ディップパイプ・トップローディングまたは中心導体柱がある)}\\ N \times 0.38 \mbox{ m$^2$/s (中心に導体柱がないタンクのボトムローディング)} \end{array} \right.

ただし,vはパイプ内の流速,dは上流側のパイプ径,ただし,パイプ径が異なる場合は最も小さなパイプ径を用いる.もし,この最小径部の長さが10 m以下であり,その断面積が次に小さな径の断面積の67%以上である場合は,最小径の次に小さな径を用いるとよい.

 {N= \left\{ \begin{array}{l} 1 \mbox{   } (L \lt 2\mbox{ m}) \\ \sqrt{L/2} \mbox{   } (2 \le L \le 4.6)\\ 1.5 \mbox{  } (L\gt 4.6) \end{array} \right.}

Lはタンク断面の対角線の長さ,ただし,タンクローリーのようにタンク内を完全に区画している場合はその区画のLを用いる.

この式を満たしていてもv=7 m/sは超えてはならない.

ボトムローディングは接地されたディップパイプがないためトップローディングに比べて表面電位が大きくなる.したがって,上式のように区別される.中心導体柱についても同様の考えである.