静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

コーン放電の着火性

  1. コーン放電の等価エネルギーは数十mJ程度以下であり,文献[16]では20 mJ程度としている.コーン放電は ガス・蒸気,粉体の着火源になる可能性がある.100 mJ以上の可燃性雰囲気ではコーン放電による着火リスクは低い.200 mJ以上ではコーン放電ハザードは無視してよいであろう
  2. コーン放電の最大等価エネルギーは式(A.17)により見積もることができる

粉じん爆発の場合,上記のようなコーン放電を生成する条件の比較的大きな粒径の粉体では空間に浮遊することが不可能なため可燃性雰囲気の形成が困難である.したがって,この放電によって着火が起きるためには,粒径が100 µm以下の微粉体が含まれていることが必要である.

粉じんのみでのコーン放電による明確な着火事例が見当たらないが,ガス・蒸気とのハイブリッド可燃性雰囲気での着火事例がある(F.2.3.4).

FIBCでコーン放電による事故事例も見つからなかったが,これは直径1 m程度の容器充てんでは着火性のコーン放電が生じないことを暗示している[16].