静電気イノベーションズ

静電気リスクアセスメント,ハザード同定,静電気対策のこと...

コーン放電の発生条件

コーン放電の生成のための正確な条件は求まっていないが,次の条件が満たされるときに多く起こるので,バルク抵抗率,充てん方法,流量,質量比電荷および粒径からコーン放電の可能性を同定する.

  1. 粒径が比較的に大きい:粒径1 mm以上で多く起こる
  2. 粉体の抵抗率が大きい:1010 Ω・m以上で多く起こる.0.1 mm以下の微粉体では起きない
  3. 1010 Ω・m以下の粉体で,接地した容器に充てんされるときコーン放電は起こりにくいが,1010 Ω・m以上になると起こるようになり,1012 Ω・m以上では防止が困難である.経験的に108 Ω・m以下の粉体で,接地した容器に充てんされるときコーン放電は起きないとしてよい
  4. 粉体抵抗率が108-1010 Ω・mのとき,容器体積が0.25 m3未満での重力充てんまたは空気輸送でも堆積粉体の表面電界が500 kV/m以下となるときは着火性コーン放電は生起しない.
  5. 粒径が比較的に大きい(6.5.1)粉体を空気輸送にて充てんする場合は,粉体抵抗率1010 Ω・mはコーン放電開始のリミットとしてよい.また,粉体抵抗率1012 Ω・m以上ではコーン放電を避けることはできない.ただし,容器体積が0.25 m3未満での重力充てんまたは空気輸送でも堆積粉体の表面電界が500 kV/m以下となるときは除く
  6. 粉体の質量比電荷が大きい:1 µC/kg以上で多く起こる
  7. 充てん流量が大きい空気輸送:連続的に大量(数千 kg/h以上)の充てんで多く起こる.たとえば,粒径1 mm以上の粉体で2 × 103 kg/h以上,0.8 mm程度で20-30 × 103 kg/h以上